【DX化インタビュー】味の素エンジニアリング株式会社

「DXだからといって100%デジタルにこだわる必要はない」「得意な分野と人間が得意な分野がある」「全てをデジタルでやろうと思わずに、メリハリをつけて組み合わせた仕組みにすることがDXの鍵」と仰っていたのはインタビューにお答えしていただいた、味の素エンジニアリング株式会社の小林隆之様です。

企業がDXを進める際、全てをデジタル化しようと思わずに、デジタルが得意なところとヒトが得意なところを見極めることが重要と伝えてくれました。

味の素エンジニアリング株式会社が一体どのような流れでDX化に進みどのような成果が出たのかを以下にまとめました。

目次

インタビュー先情報

会社情報

食品工場の建設には衛生管理・生産管理等の面で、通常の工場建設とは視点が異なる多くのチェックポイントがあります。

味の素エンジニアリングは、食品メーカーから生まれた食品エンジニアリングの専門会社として、お客様の頭の中にある“想い”と具体的なニーズを引き出し、基本計画から稼動後の保全まで一貫した責任体制の下、お客様の“想い”をカタチにしている会社です。(HPより引用)

インタビュー者:今川崎事業所次世代デジタルビジネスグループ グループ長 小林隆之様

PLANTAXIS(味の素エンジニアリング自社開発システム)

導入背景

PLANTAXIS®は私が自社開発した3D設備管理サービスです。

工場は何千という数の設備が組み合わさって成り立っています。例えば、皆さまのご家庭にある調味料の製造も、様々な設備が様々な加工をして届けられているわけです。

どのメーカーであっても、お客様に商品を届けるために、設備を継続的に使い続けています。

10年20年に渡って設備を使い続けて、定期的にメンテナンスしたり買い換えたりして、お客様に安心してもらえる商品をお届けすることが大事です。

一つ、二つだったら設備を把握することができますが、何千種類も設備があると管理が非常に難しく、更に複数人で行うのは大変です。

人も入れ替わっていく中で、設備の状況をちゃんとシェアして、皆で管理することをPLANTAXIS®が実現します。

使用方法

PLANTAXIS®は3D技術を利用してます。何千何万と装置の名前が表として並んでいるとき、特定の機器を見つけるのに時間がかかりますよね。

名前もいちいち全部覚えてられない。例えばポンプの名前が表に5個並んでて、それがどこにあるか把握するのは難しいです。

あまりに多いと見つけることもできなくなってしまいます。ホームページで見ていただくとちょっとイメージができると思うのですが、3D技術を利用すれば、本当に現場にいるかのように見て使えます。確認したい機器をクリックすれば、設備の情報も出てくる。これがコアな技術ですね。

加えてその3Dの工場を作るところまでを弊社が請け負います。

なかなかお客さんに「じゃあシステムを渡すので3Dで入れて管理してください」っていうのは難しい話になります。契約を結んだ後、弊社が3Dでの撮影から、アップロード、使い始めるまでのお手伝いや、データの解析などのコンサルも含めてまで全てサポートいたします。

このような一貫したワンストップのサービスを提供することでお客様のニーズに沿った形で使用していただけます。

課題達成

数多くの装置が工場の中で動いている中、3D技術を利用したPLANTAXIS®は視覚的に装置の把握ができるようになります。

良かった点

視覚的に場内の装置の把握が可能になる。

悪かった点

特になし。

導入事例

Slack

導入背景

様々な会社と一緒に開発チームを組んでいるのですが、私が今神奈川にいて、要件定義のメンバーは東京と北海道,開発チームは大阪,デザインは東京と兵庫、他にも一緒に組んでるところが静岡県と拠点がばらばらだったのです。遠隔地と協力して開発していくにはSlackの導入が必要でした。

使用方法

距離的にばらばらな開発チームを一つに繋ぐコミュニケーションツールとして使用しています。

課題達成

動作も軽く、上手く使えていると思います。

良かった点

電話やメールに比べるとコミュニケーションの整理がしやすい点。

悪かった点

贅沢な悩みですが、色々な端末で見ていると、会話が埋もれてどこで会話していたかわからなくなってしまうことがある。

Asana

導入背景

拠点が離れていると、開発に関わる一連の流れを把握しにくいのでAsanaを導入しました。

使用方法

開発側がどれだけ進んでいるのか、こちらの要望や要件定義はどこまで進めるべきか、仕様、テストアップロード、デプロイ等の一連の流れを把握するのに使用しています。

課題達成

誰が、どこで、どの段階まで仕事が完了しているのかが把握できるようになり、チームのボトルネックが見えやすくなりました。

良かった点

全体を見る立場としては仕事の現状が明確にわかるので便利です。

悪かった点

若干重く感じるときがあります。開発メンバーは少し手間が増えているかなと思う。

Zoom

導入背景

他社とミーティングするときに通信がスムーズで、画質の良いZoomを導入することにしました。

使用方法

開発メンバーとの打ち合わせやお客様とのミーティングに使用しています。

課題達成

個人的には、ネットワークも画質もよく、ミーティングが円滑に進む点が気に入っています。

良かった点

画質、ネットワーク環境が良質

悪かった点

特になし。

Microsoft Teams

導入背景

会社で推奨されているコミュニケーションツールがTeamsだったので導入しました。

使用方法

主に社内での会話はこちらのツールを使用しています。

課題達成

会社のメンバーも同様に本ツールを使用しているので、社内でコミュニケーションをとるのにスムーズに進みます。

良かった点

特になし。

悪かった点

特になし。

気になった点についてご質問させて頂きました!

Q.御社のProgrestaというサービスについても教えていただけますか?

ProgrestaはちょっとSaaSとは違うのですが、ヒューマンリソース系のサービスです。

現在の食品業界は色々と厳しい状況で、求められることが非常に多いです。例えばお客さんのニーズは多様化してて、少量多品種で提供しなきゃいけないですし、求められる品質も厳しいです。

少しでも異物が入ったりすると今かなり大きな社会問題になるので、厳しく管理する体制が必要です。様々な専門的知識がその体制づくりに必要なのですが、社員さんだけで全部の知識をつけて工場を運営していくのはなかなか難しいです。

ただ求められていることが多いという課題に対して我々味の素エンジニアリングはいろんなスペシャリストのネットワークを持っています。

そこが味の素グループだったり、また他のお客様だったり、設備メーカーであったり等、人を短期間コンサルティングという形で一緒に仕事させてもらってお客様の課題解決をサポートしていくいうサービスです。

最後にDX化に取り組もうと考えている方にアドバイスを一言お願いします!

リモートワークが当たり前になってきて、それ自体は素晴らしいことです。PLANTAXIS®も工場の現場の仕事をリモートにするというコンセプトがあります。

DXはデジタル化と同時に仕組みを変えることもセットで考えることが重要です。ぜひ、デジタル化だけではなく仕組みを変えてDXを実現してください。

また、アナログな話になるのですが、DXを進める上で100%デジタルにこだわる必要はないのかなと思っています。

例えば、人と人とのつながりはコンピューターが得意な分野ではないです。そこは全てデジタルでやろうと思わないで直接会って話をするなど、メリハリをしっかりつけていく。

システムを導入したり開発することで、デジタル化を進めつつ、人とのつながりなど人間が得意な部分はしっかり残す仕組みにすることが、DX施策を成功させる上で大事だと思います。

この記事に登場したSaaS

Slack

Slackはチャットができるプラットフォームです。

他のコミュニケーションツールと違うのは今使用している様々なAppと連携させることができ、Slackワークスペースを通じてAppの機能を利用できます。

Asana

Asanaは海外発のプロジェクト管理ツールです。Asanaの特徴は管理のしやすさと見やすさです。

色鮮やかにデザインされたAsanaはプロジェクトごとに色を変えられそれぞれがどのような進捗で動いているか、リアルタイムで確認できます。

ゼロワンメディアロゴ

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